約1万年前の国宝が勢揃い!不思議な土偶と目が合う「縄文展」

東京国立博物館(上野)では期間限定の特別展『縄文ー1万年の美の鼓動』が開催されています。会期は2018年7月3日(火)~9月2日(日)まで。さっそく初日にいってきました。テーマは「縄文の美」。9万点を超える縄文時代の出土品なから選りすぐった優品とともに、国宝の6点が初めて揃うという興味深い内容です。

今回の目玉である国宝の遺跡は下記の6点(土器1点、土偶5点)です。

  1. 火焔型土器(燃え上がる炎を模したとされる大きな土器)
  2. 合掌土偶(座って合掌している土偶)
  3. 中空土偶(中が空洞の上を見上げる土偶)
  4. 縄文の女神(スリムな女性の現代風デザインの土偶)
  5. 仮面の女神(逆三角形のお面をつけた不思議な土偶)
  6. 縄文のビーナス(女性の曲線美が印象的なふっくらした土偶)

国宝に指定される基準がなんなのかはわかりませんが、縄文展に並んでいるもの全てが間違いなく国宝級です。

ちなみに、上記の5、6番は7月31(火)から展示されます。よく調べずに行ってしまったので、まだ国宝が4点しかない事実を知りませんでした。一瞬残念な気持ちになりましたが、結論からいうと、そんなことどうでもよいくらい大満足でした。じっくり見たい方は混雑しない今のうちに行った方がいいかもしれません。

簡単ではありますが、自分目線で縄文展のご紹介したいと思います。

縄文時代とは?

縄文時代は今からおよそ1万3千年前から約1万年も続いた時代。旧石器時代の後の時代です。縄文時代に突入したころ氷期は終わりを迎え、現在につづく温暖で湿潤な気候が始まったとされています。日本各地から居住跡、土器、土偶、装飾品など数々の遺跡が発掘されており、農耕、狩猟などをしながら村をつくって定住生活をしていたと考えられています。

歴史の教科書ではなぜかさらっと通り過ぎてしまう縄文時代ですが、1万年も続いたというのが驚きです。いまの私たち知っている歴史といえば、大きく見積もっても2000年くらいではないでしょうか。

躍動感あふれる美しい巨大縄文土器がずらり

縄文時代の名前の由来でもある縄文土器は、縄で模様を付けたものが有名です。展示会ではバケツサイズくらいのそんな縄文土器が並んでいるものだと思っていた私はそのスケールの大きさ、見入ってしまうほどの造形美に度肝を抜かれました。

感覚的には高さ1m級の見ごたえのある土器がたくさん展示されています。模様は縄だけでなく、竹菅状工具などを使って平行、曲線などの美しい幾何学文様が配され、まるでモダンアートのよう。

※写真は火焔土器のイメージ写真です。縄文展のものではありません。

なかでも見どころは、炎がうねりながらダンスしているような「火焔(かえん)型土器」。ただ縄をころがしてちょっと模様を入れたデザインではありません。岡本太郎の名言「芸術は爆発だ!」を彷彿させるエネルギッシュな美しさです。展示会ではほとんど360度見れるものばかりなので、訪れた方々はみなさんガラスの展示ケースを食い入るように見つめながらぐるっと回っていました。火焔土器のの一つは国宝に指定されていますが、ほかのものも素晴らしい作品ばかり。どれも美しく、凝視してしまうほどでした。

ミステリアスな土偶と対峙する神秘体験

国宝の土偶は初日の時点では3体ありました。残り2体は7月31日~展示です。さほど混雑していなかったおかけで、かなりじっくり鑑賞に浸れます。土偶は基本的に女性を模したものといわれていますが、じっくり見てみると女性なのか男性なのかよくわかならいという感想を持ちました。これって両性具有?!だから宇宙人説とかあるんでしょうね。

わずかに上を見上げる土偶の眼差しが印象的で、なんだか目が合う感じ。かなり神秘的です。こちらも360度見られます。体にある模様がただのデザインなのか、それとも洋服なのか後ろまで見て確認してみてください。私が気になったのは、頭の後ろ辺りにある複数の小さな穴。何かにぶらさげて飾っていたのでしょうか。見れば見るほど虜になってしまいます。

国宝のエリアを過ぎると、まだまだ不思議土偶や出土品が盛りだくさん。これまた宇宙人説のあるスノーゴーグルを掛けたような「遮光器土偶」、ハート形のお面をかぶったような「ハート形土偶」など、1体あたり1時間くらい眺めていたいミステリアスな土偶が、え?まだあるの?!というほど展示されています。ネコ、ヘビ、イノシシなどをモチーフにした動物モノ、コインサイズの小さな土偶、赤ちゃんの手形や足型をつけた土版といった縄文人のライフスタイルや思想が伝わってくるようなものもありました。

ロマンあふれる謎多き縄文時代

途中で閉館のアナウンスが流れ、私は終盤駆け足になってしまいました。これから訪れるなら所要時間は最低でも3時間は確保しておくことをお勧めします。

私はすっかり縄文時代に魅せられてしまいました。縄文時代に文字はなかったという説が一般的な見解とされいて、素晴らしい出土品の数々が一体何なのか謎に包まれたままです。約1万年も続いたことを考えると間違いなく会話などのコミュニケーションはあったのではないかと思いますが、言葉を残す、つまり文字をどこかに記載する必要性はあまりないことを意味しているのではないでしょうか。

縄文時代中期の世界各地の文化を比較する比較する展示コーナーもあり、メソポタミア、インダス川流域、エジプトなどの土器が並んでいました。注目すべきは名前らしき文字(ヒエログリフ以前の音節文字)が刻まれたエジプトの土器。説明によると、支配者を頂点とする社会組織が形成され、所有の概念があったから名前が刻まれていると考えられているそうです。縄文時代の土器と異なり、シンプルで模様はほぼありません。規格化された大量生産の実用的な土器だそうです。

縄文時代は支配者がなく、みな平等で協力しあいながら平和に暮らしていたという説がありますが、展示物を見るとその解釈に納得ができます。あれほど繊細で美しい土器や土偶がたくさんあるということは、それを造る時間があったということ。現在のように労働で一日が終わってしまうような時代ではなく、芸術に没頭するような豊かな時間が流れていたのではないでしょうか。それを上から目線で原始的だと捉えるのは違うような気がします。むしろ時代が進むにつれ、人間としての本当の豊かさは退化しているのではないかと感じました。支配者も縦社会もないからこそ、約1万年も続いた縄文時代。ロマンあふれる日本人のルーツです。

2018年夏のおでかけにおすすめ!『縄文ー1万年の美の鼓動』

■会期:2018年7月3日(火)~9月2日(日)

■場所:東京国立博物館(平成館)

■開館時間:午前9時30分~午後5時 ※金曜・土曜は午後9時まで、日曜および7月16日(月・祝)は午後6時まで

■休館日:7月16日(月・祝)を除く毎週月曜日、7月17日(火)

※土偶を模したユニークなグッズもいっぱいです!前売り券で話題になっていた軍手、土偶ペンライト、土偶パペットタオルもありました。そのほか、土偶の写真がデザインされたクリアケース、国宝土偶の形をしたリアルな貯金箱、手のひらサイズの土偶が作れるクッキーの型など日本的な?面白いグッズばかりでした。

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