文明と野生を描く忘れられない衝撃映画『WALKABOUT 美しき世界旅行』

レンタルビデオ屋さんでレトロ綺麗なジャケットが目に飛び込んできた名作映画。店長おすすめ作品として紹介されていた。ジャケットからあふれる神秘オーラが半端なく、いかにも良品という雰囲気たっぷり。ミニシアターとかが好きな映画好きに一押し!幻想的すぎて夢にでてきそう。

『WALKABOUT 美しき世界旅行』あらすじ

オーストラリアの大自然を舞台にしたロードムービー。裕福な暮らしをするイギリス人の14歳の少女と6歳の弟が、オーストラリアの砂漠の真ん中で一家心中を図ろうした父親から逃亡し、広大なオーストラリアで迷子になる。食料も水も尽きたころオーストラリア原住民であるアボリジニの少年に出会う。彼は16歳になると1年間旅をするアボリジニ原住民の習わし「ウォークアバウト」の最中だった。近代的な少女は言葉も通じず、原始的な彼を敬遠していたものの、豊かな自然と純粋な彼に次第に調和しはじめるのだが…

  • 監督:ニコラス・ローグ
  • 脚本:ジョージ・アーサ―・ブルーム
  • キャスト:ジョニー・アガター、リュシア・ジョン、デビッド・ガルピリル
  • 原題:WALKABOUT/イギリス/1971年/100分

『WALKABOUT 美しき世界旅行』感想

文明の洗礼を受けた現実的な少女がオーストラリアの自然の中に溶け込んでいく様子はうっとりするほど美しい。赤い砂漠地帯に容赦なく照り付ける強い陽ざしが体感できるリアルな描写が印象的だ。

全体的には解釈が難しい哲学的なストーリーのような気がする。ショッキングなところもあるが、なんだか夢をみているような不思議な気分にもなった。

人間は自然や動物から恩恵を受けていることには変わりない。それは近代的な人間でも、原始的な人間でも同じ。けれど、あらゆるものと共生する慈しみがあるかどうか、そういった深い部分に違いがあるように思う。歴史的に考えると、映画が製作された1970年代、オーストラリアはすっかり西洋人たちの土地になっていた。人間を含むすべての生きものの尊厳とは?そういったことを問いかけているのだろうか。

この作品の監督はイギリス人のニコラス・ローグ氏。彼の映画はこれがはじめてだが、あまりにも神秘的な映画だったのでほかの作品も気になる。1983年劇場公開の映画『赤い影』は情報誌Time Out(イギリス版)の”イギリス映画ベスト100”で1位に選出されたらしい。ほかにデビット・ボウイ主演の『地球に落ちてきた男』も有名で、かなり独特なストーリー。巨匠というよりは、鬼才というワードが似合う監督のようだ。

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